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新篠津村行政改革大綱

1 基本方針

今日の社会情勢は、少子・高齢化、情報化、国際化の進展、生活の質的な豊かさを求める価値観の多様化や環境への関心の高まりなど、その態様は大きく変化している。
新しい時代に適応できる地域社会を目指し、この行政改革は、削減、減量といった表面的観点からのみではなく、安心で豊かな福祉社会を目指し、行政と村民の新しいかかわりを求めて推進しようとするものである。
地方分権の時代にふさわしい自主行政運営を目指し、住民の多様なニーズに即応しつつ、活力に満ちた魅力ある地域社会を築くうえで、地方公共団体の果たすべき役割は益々大きくなってきている。
現在、地方公共団体の行財政運営は厳しい状況にあり、新篠津村においても行財政を取り巻く環境は、いっそう厳しさを増してきている。
今、地方分権時代が到来し、地方の自主性、自立性が求められる社会経済情勢を考えたとき、行政改革の取り組みは、一段と重要な課題であり、最小の経費で最大の効果と、簡素で効率的な行財政の組織および運営を目標に、社会経済情勢の変化に即応しつつ、村民の理解と協力のもと、新たな行政改革を積極的に推進するものである。

2 行政改革の推進方法

行政改革の推進にあたっては、平成17年度から平成21年度までの間を目標年度として本大綱の基本方針を踏まえ、集中改革プランの項目ごとに改革の方策を講じ、可能なものから順次実施する。
また、集中改革プランの実施にあたっては、行政各分野が一体となって取り組むとともに推進状況を定期的に公開し、広く村民の意見を聴き理解と協力が得られるよう努めるものとする。

新篠津村集中改革プラン

1 はじめに

(1)これまでの取組み
本村の行政改革は、平成8年度に策定した「新篠津村行政改革大綱」を契機に、簡素で効率的な行政運営と行政サービスの向上を目指し、行財政の基盤整備に取組んできた。
この間、景気の動向をはじめとする社会経済情勢の急激な変化や、福祉、環境、教育、文化などへの村民の価値観やニーズが高度化及び多様化したこと、さらに、地方分権への動きが急速に進み、国と地方公共団体のあり方についても根本的に見直しが進められていることなど、時代の大きなうねりを背景にしながら、時勢と行政のあり方を常に注視し、時代の変化に即した行政運営の推進に努めてきたところである。
これまでの行政改革において、事務の効率化、財政の健全化、OA化の推進、定員管理・給与の適正化、民間活力の導入、協働の推進など不断の努力のもとその目標に取組み、今日の村政推進の基礎を築いてきた。
また、平成16年度に「新篠津村財政健全化プラン」を策定し、検証見直し項目9部門を設けるとともに目標数値を定め、時点修正に適切に対応しながら健全化プランの推進を図ってきている。
この健全化プランで、平成16年度から平成20年度までに、人件費の見直し、まちづくり総合計画の見直し、事務事業の見直し、外部委託の促進、団体等に対する負担金・補助金の見直し、使用料・手数料の見直し、財産の売却及び貸付の推進等に取組み、5年間で5億7百万円程度の削減効果を期待している。
さらに、職員の定員適正化計画において、平成8年度から平成15年度までの8年間で、計画数を12人上回り削減するなど、積極的に行政改革に取組んできたところである。
(2)改革の期間と目標
ア 改革の期間
「新篠津村集中改革プラン」の実施にあたって、平成17年度から平成21年度までの5ヵ年の具体的な取り組み目標を策定し着実に推進する。
また、新篠津村行政改革大綱の基本方針においても、本集中改革プランとの整合性を図りつつ、継続して取り組むこととし、新たに取り組む改革プランの取り組み事項は、随時、行政改革大綱における追加事業として取り扱い、その実現に努める。
イ 改革の目標
現在、本村の厳しい財政状況において、新たな時代に対応し、かつ明るい将来を展望できる村政を実現するためには、従来の行政システムを抜本的に見直すとともに、補完性の原則に立脚した村民や地域との協働を推進するなど、効率的な行政運営を推進していくことが肝要である。
このため、村職員はもとより村民のマンパワーの活性化による少数精鋭の行政運営への転換を図るための成果指標を設定しその実現に努める。
また、「集中改革プラン」の総合的かつ組織的な推進を図るため、村長を本部長とする「新篠津村行政改革推進本部会議」において進行管理を行い、全庁をあげて改革を実行していくとともに、必要に応じて組織の枠を越えた検討体制や、より機動力のある体制の推進に取り組む。
ウ 進捗状況の公表と意見の聴取
本改革プランに基づく行政改革の進捗状況は、自治懇談会等で意見を募り、議会に報告するとともに「広報新しのつ」や新篠津村のホームページを通じて公表し、村民をはじめ外部からの幅広い意見を聞き入れることに努める。

2 事務事業の再編・整理、廃止・統合

(1)事務事業の見直し
事務事業全般については、最少の経費で最大の効果をあげるため、限られた財源を有効に使っているか不断の見直しを行い、経費の縮減を図る。
また、所期の目的を達成したと思われるものはもちろんのこと、費用対効果が十分でないもの、民間において良質なサービスが低コストで提供できるものなどについては、住民にわかりやすい指標を用いて評価し、住民の意見を反映するとともに行政の果たすべき役割、受益と負担の公平の確保、行政効率等に配慮し事務事業の再編・整理、廃止・統合を推進する。
(2)行政評価システムの導入
村の政策・施策や事務事業について計画を立て実行し、共通の指標に基づきその成果を評価して次の計画に反映させるという、マネジメント・サイクルを確立し、また、村政運営における行政資源の効果的な配分を図るとともに、評価結果を公表することにより、行政の透明性の向上を図り、村民参画の村政を推進する。
なお、行政評価システムの導入については、試行から本格導入まで十分な期間が必要なため、試行・検証を重ね平成22年度以降の導入を検討する。

3 民間委託等の推進(指定管理者制度の活用を含む)

本村は、これまで民間委託など民間活力の導入を積極的に進めてきたが、さらに委託できる事業の検討を行い、一層のサービス水準の向上と業務の効率化を図るために、民営化・民間委託・指定管理者制度などを活用する。
改正地方自治法に基づく指定管理者制度は、「公の施設」の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的としている制度であるが、本村では、民間とのコスト比較等をもとに事業方式の検討を行い、公設民営化等による民間能力の活用を図る観点からも、平成16年度、平成17年度に制度導入の必要がある2施設で指定管理者制度をより効果的に活用している。
また、公の施設以外の施設においても、サービス水準の向上と業務の効率化を図る視点に立ち委託の可能性を検討し、さらに、全部直営で実施しているホームページ作成・運営、総務関係事務は、平成21年度までに、そのあり方を検討する。

4 定員管理・給与の適正化

(1)定員管理の適正化
本村では、平成8年度~15年度に実施した定員適正化計画を策定し、定員管理を実施しており、総務省が定める「定員モデル」による職員数や、「全国の類似団体等職員数(31町村平均)」と比較した結果、定員モデルで同数、類似団体平均で約2人少なく、職員数は多くないのが現状である。
今後は、計画的な職員数の抑制に取組み、新たな定員適正化計画において、平成22年度までに現在の職員数より3%の削減(△2人)を目指すものである。
表1
 

人 口

総職員数

職員1人当たりの人口

新篠津村(修正値)

3,864

58.6

65.9

類似団体平均

31町村)

3,873

60.9

63.6

資料:総務省「地方財政状況調査」(平成15年度)「地方公共団体定員管理調査」作成
注1)普通会計とは、各地方公共団体間の財政的な比較等を行うため、地方財政統計上統一的に用いられている会計区分である。
新篠津村においては、総職員数60人(平成17年4月1日現在)である。
注2)類似団体とは、地方公共団体定員管理調査上で、全市町村を人口と産業構造を基準にグループに分けたもので、新篠津村は、人口3,500人以上4,500人未満、第2次・第3次産業が65%未満のグループに属している。
表2  平成16年度の純減実績数による(表は各年4月1日現在の人数)
 

11年度

12年度

13年度

14年度

15年度

16年度

採  用

 

2

1

3

1

 

退  職

3

2

7

4

5

1

職員総数

75

74

73

69

66

61

(2)定員適正化計画の見直しの経緯、内容等
本村の職員数は、平成11年度から平成16年度の6年間で退職不補充等により、14人減少(平成11年度職員総数比18.7%減)し、今後5年間で、いわゆる「団塊の世代」の15人が定年退職を迎えるが、実職員数はすでに類似団体平均数を下回っている。
さらに定員モデルで示された職員数と同数であることから、総職員数に修正値を用い、新規職員採用を抑制することにより、平成17年4月1日と比較し、平成22年4月1日における職員数を3%減、職員数で2人削減する。
なお、定員適正化計画の実施には、定員モデルが毎年度変動することから、総職員数は不断の見直しが必要である。
(3)組織編成の見直し
組織編成の見直しについて、現状ではすでに限界の感がある職員数で、管理職を含め5~6名で構成されている課が複数課あるが、他の行政機関との均衡に配慮した縦割り型組織にとらわれず、政策目標に基づく効果的かつ効率的に事務・事業を処理し得る組織とする必要がある。
そのために、住民ニーズへの迅速な対応や、迅速な意思決定と対応の観点から、個々の職員の責任と権限が明確化され、意思形成過程が簡素化されたフラットで大くくりな組織編成とする必要がある。
なお、その際住民から見ても責任・権限の所在が分かりやすい構造、職名とすることにも留意する必要がある。
政策、施策、事務・事業について、PDCAサイクル(     ※1)をもとに不断に正当性の検証を行うことにより、組織編成も不断の見直しを行う。
また、地方制度調査会の答申に基づく地方自治法の改正等による新たな制度に対して、組織のスリム化・事務の効率化に結びつくものを常に模索し積極的に推進する。
※1 PCDAサイクル : 計画策定(Plan)→実施(Do)→検証(Check)→ 見直し(Action)のサイクルをいう。
 (4)給与の適正化
ア 給与制度
本村の職員給与については、財政健全化プランに基づき、高齢層職員昇給停止、退職時の特別昇給の廃止(近年特別昇給の実績なし。)、特殊勤務手当の見直しなどの実施により、給与の適正化に努めるとともに、総人件費の抑制を図ってきた。
職員の給与制度については、村民の納得と支持が得られる給与制度・運用・水準の適正化が求められていることから、国の給与制度改革を見据え、新たな給与制度を構築していく必要がある。
(ア) 高年齢層職員の昇給制度の見直し
現在55歳昇給停止(平成17年度に実施済)を実施しているが、高年齢層職員の昇給制度については、今後検討を行う給与制度との関連を考慮し、見直しを図る。
(イ) 退職時の特別昇給の廃止
退職時の特別昇給について、近年特別昇給の実績はないが、国に準じて平成17年度に廃止した。
(ウ) 特殊勤務手当の見直し
特殊勤務手当は、制度の趣旨に合致しないものについては、見直しを図り、制度の趣旨に合致した手当とする。
イ 定員・給与等の状況の公表
給与等の状況の公表については、地方公務員法の改正を受け「新篠津村人事行政の運営等の状況の公表に関する条例」を制定し、これに基づき、村民にわかりやすい方法で、その状況を広報紙のほかインターネットを利用し公表する。

5 第三セクターの見直し

(1)既存法人の見直し
第三セクターは、その時々の時代の要請を受けて設立されたものであり、村の施策と密接に連携しながら、公共サービスの提供主体のひとつとして重要な役割を担ってきたが、社会経済環境の変化によってそれらを取り巻く状況は大変厳しくなっている。
さらに地方自治法の改正により、指定管理者制度が導入され、公の施設の管理に関して、民間事業者の参入も可能となったことから、公の施設の管理を受託している第三セクターにとっては、その事業基盤に大きく影響を及ぼすものであり、そのあり方が問われているが、本村の第三セクターは、雇用の創出や観光振興等、地域経済に大きな効果をもたらしているところである。
また、㈱新篠津振興公社と㈱ニューしのつクラブの合併がすでに行われ、いち早く指定管理者制度を導入し、見直しが図られているところであり、今後も、更なる経営改革に積極的に取り組むものとする。
(2)監査・点検評価・情報公開の体制等
第三セクターの監査は、2~3年に一度村監査委員による監査が不定期で行われているが、社会経済環境の変化及び経営状況の厳しさなどから、監査・点検体制の確立を図るため、今後は村監査委員による定期的な監査を実施する。
また、事業内容、経営状況、公的支援等について、適宜適切な議会への状況説明を行うとともに、住民に対する積極的かつ分かりやすい情報公開に努め、さらに財務諸表等の公開を検討する。

6 経費節減等の財政効果

(1)経費の節減等財政健全化
村では、平成8年度に「新篠津村行政改革大綱」を策定し、社会情勢に即応した行政改革を推進し、併せて公債費負担適正化計画や財政健全化計画、さらに平成16年度からは財政健全化プランを策定し、財政運営の推進に取り組んできた。
しかし、依然として村の財政状況は厳しいことから、「新篠津村」が自立したまちづくりを進めていくため、より一層の財政健全化に努める。
(2)使用料・手数料等の見直し
今日的な社会経済情勢から、使用料・手数料等村民負担の公平性の確保と受益者負担のあり方を検討し、次の項目について見直しを行う。
なお、平成8年行政改革大綱により見直された事項においても検討する。
ア 施設使用料・・・・・・・・・運動公園サッカー場増設オープン
〃  ・・・・・・・・・体育館の開設時間の管理人有効活用
〃  ・・・・・・・・・ふれあいパークゴルフ場の有料化
〃  ・・・・・・・・・ふれあい農園使用料の値上げ
イ 保育所使用料・・・・・・・・全年齢について値上げ
ウ 一般家庭ゴミ処理使用料・・・有料の指定袋とする
エ 土壌分析手数料・・・・・・・分析料金の値上げ
(3)村有財産の売却及び貸付の推進等
現時点で利活用が見込めない土地については、積極的に処分を行い、有償貸付土地については、借地権者と売買交渉を進め、財産処分とし、将来にわたって遊休地となる見込地は、一般公募を行い処分する方向で進める。
また、近い将来活用する予定の現在遊休地は利活用計画を策定する。
現在遊休地・・・・・・・10筆
(4)人件費等の見直し
財政健全化への取り組みの中では、多種多様な節減努力が必要とされているが、特に行政経費の見直しは重要な事項として取り組まなければならない。
その中でも、事務作業の機械化による職員数の削減に伴う行政執行の効率化、国の制度への平準化、全国一律的な制度へ対応する組織をその地域に合った形へ変革するなど、財政効果に結びつける。
ア 特別職給与・・・・・・・・・特別職給与の削減
イ 一般職給与・・・・・・・・・寒冷地手当減額(定額制へ移行)
職員給料月額2%相当削減
ウ 旅費・・・・・・・・・・・・日帰り出張の日当廃止(道外は除く)。対象者は特別職、一般職員、議員、行政委員会、各種委員
エ 手当・・・・・・・・・・・・住宅手当の削減
オ 定員管理・・・・・・・・・・定年退職による補充を制限し、職員数の3%を削減(△2人)
カ 嘱託職員・・・・・・・・・・生涯学習アドバイザーの廃止

平成18年3月 新篠津村

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